Analog Discovery試用記
ネットワークアナライザ

AnalogDiscoveryのネットワークアナライザでは回路やアンプの周波数に対する利得と位相を測れます。
測れる周波数範囲は1Hzから5MHzです。
KT-88プッシュプルアンプの周波数特性の測定を試みます。
KT-88プッシュプルアンプは利得が10倍、最大出力は18Wです。
NF回路設計ブロック社製、NF5090周波数レスポンスアナライザとの比較も行います。

評価としては、1Hzから1MHz間の500測定点に対する利得と位相特性の詳細な測定を僅か3分5秒で行えました。
手動では1日かけても終わらない測定を短時間で行えます。周波数特性の測定には大変役立ちそうです。
測定精度は高価なNF5090と殆ど同じでした。

ネットワークアナライザの画面 NF5090周波数レスポンスアナライザ

周波数特性測定結果

KT-88プッシュプルアンプの1W出力時周波数特性を測りました

AnalogDiscoveryでの測定結果 NF5090での測定結果

AnalogDiscovery
設定は
 Start 1Hz
 Stop 1MHz
 AWG offset 0V
 AWG amplitude 350mV
 Step 500
 Max Gain 25X アンプの利得が10倍なので余裕をみて25に設定
 FFT window Flat_Top
です。
1KHzは20dBで正しく測れています。アンプの周波数特性は7Hz〜130KHz -3dBと読み取れます。
300KHzの所にある小さな山谷は出力トランスRX-30-8の共振です。
12Hz〜14Hzにある小さな凹みは不明です。アンプの特性なのか、測定の癖なのか検証が必要です。
位相特性も測れるのが最大の魅力です。
このアンプ高域で利得が1となる周波数は400KHz、位相が180度回る周波数は440KHzです。
測定に要した時間は3分5秒。

NF5090
測定に要した時間は2分25秒。
AnalogDiscoveryの方が少し遅いですが、手動測定に比べればどちらも天国です。

測定結果比較

AnalogDiscoveryとNF5090の測定結果を同じ図に纏めてみました。
殆ど同じです。AnalogDiscoveryは高価なNF5090と同様に使用できます。
ただ一点、AnalogDiscoveryの測定結果にある12Hz付近の小さな凹みはNF5090の結果にはありません。
AnalogDiscoveryの癖かもしれません。AnalogDiscoveryの窓関数等の設定を変えれば消えるのかもしれません。

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