Analog Discovery試用記
電圧計

電圧計は2chでそれぞれDC、DCを含むRMS、ACのみのRMSを測れます。
RMS(実効値)であるのは多種の波形を発生できるファンクションジェネレータとの組み合わせに適しています。
定番のADVANTEST R6552 5桁1/2デジタルボルトメータと比較しました。

評価としては、10mV以上、10KHz以下の範囲の交流電圧の測定ならADVANTEST R6552並みに使えます。
性格を理解してオシロのAC RMS測定を使えば1MHz位までの交流電圧測定に使えます。
実効値測定なので正弦波以外の波形も正確に測れます。
超高級なデジタルマルチメータには及びませんが、普通のデジタルテスターの交流測定よりは十分に高性能です。

電圧計の画面 ADVANTEST R6552

正弦波電圧測定の評価

1KHz,10Hz,10KHz,100KHzで1V,100mV,10mV,1mVを測った結果です。
1KHz,10KHzは1mVを除き正確です。R6552に引けを取りません。
1mVでは有効桁数が2桁になり3桁のR6552より劣ります。
10KHzでは少し低めの値となり、100KHzは測定能力がありません。

各種波形の実効値電圧測定の評価

実効値測定の精度です。1KHz,100mVの正弦波、方形波、三角波、鋸波を測った結果です。
鋸波を除き大変正確です。実効値電圧計として良好な性能です。

電圧計の周波数特性の評価

電圧計の周波数特性です。
電圧計の周波数特性は5Hz〜20KHz程度です。
どうやら40KHz、8Kサンプリングのデータから電圧を求めているようです。
精度を期待できるのは10Hzから10KHzの範囲です。

しかし、下図のオシロ付属のAC RMSはもっと広範囲で正しそうな値を示します。
これは、オシロの画面範囲で電圧を測定するからです。
オシロの画面には表示しきれない低い周波数や高い周波数の成分を除外した値が測定されます。
それでも良い場合はオシロのAC RMS測定機能を使えばより広い周波数特性を得られます。
上図にはオシロでの電圧測定の周波数特性も載せました。

AnalogDiscoveryの電圧計とオシロでのAC RMS測定精度の比較です。
但しオシロでの測定は画面に映る範囲の周波数の電圧しか測れないので利用には注意が必要です。

AnalogDiscoveryの試用ページに戻る