4. 測定

パワーアンプの1KHz/1Wの歪率測定を例に測定手順を解説します。
4.1 配線
下図のように機材を配線します。


4.2 パワーアンプの出力を1KHz、1Wにする。

  1. 発振器の周波数を1KHz、出力レベルを最小にします。
  2. パワーアンプの電源を入れます。
  3. 発振器の出力を徐々に上げ、パワーアンプの出力電圧を2.82V(8Ω負荷で1W相当)に調整します。

8Ω負荷でのW数とアンプ出力電圧の関係は
 W=V**2 / 8
です。

W数 電圧 W数 電圧 W数 電圧
0.01 0.283V 1 2.82V 10 8.94V
0.05 0.632V 2 4V 15 11V
0.1 0.894V 4 5.66V 20 12.6V
0.5 2V 8 8V 25 14.1V

4.3 歪率の測定

  1. WaveSpectraを駆動し、 3.WaveSpectraの設定 に従い設定します。
  2. 測定ボタンの設定
    WaveSpectraのボタンを下図のように設定します。


    ボタン 設定
    LR切り替えボタン 入力ボックスからの信号をサウンドカードのLchにつないだなら凸
    入力ボックスからの信号をサウンドカードのRchにつないだなら凹
    測定モードボタン
    THDボタン
    RMSボタン
    Mainボタン
    他のボタン

  3. 入力レベルの調整
    録音ボタン(赤い丸)を押し、信号の取り込みを始めます。
    入力ボックスのボリュームを調整し信号の振幅を+-10000、Maxレベルで-10〜-12db程度にします。

  4. 歪率の読み取り
    暫く入力を続けるとスペクトル表示が一定します。
    停止ボタン(■)を押します。
    歪率(THD,+N)が表示されます。
    上段が THD(高調波成分のみ)の歪率値、下段は THD+N(高調波成分+ノイズ)の歪率値です。
    上図では THDが0.01763%、 THD+Nが0.06942% となります。
    通常、歪率と言えば下段のTHD+N値が用いられます。

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