6JY8はTV用の3極・5極複合MT管でプレート損失5Wの垂直偏向発振出力用5極部とミュー45の中増幅率電圧増幅用3極部が1管に納められています。6BM8の5極出力管部のプレート損失も垂直偏向発振出力時は5Wですので、ほぼ同じ規模の球と言えますが、音楽用のアンプには使用された事な無いと思われます。超駄球としてAESのセールで@$1.00で売られていました。
果たしてアンプ用には使えるのか???、そこでA5版サイズのミニアンプに仕上げてみました。シャーシとトランス部のカバーは共に市販アルミお弁当箱シャーシです。
回路は3極部2ユニットの差動増幅段で電圧増幅と位相反転を行い、出力部は3結AB級PPです(差動ではありません)。
出力部の動作条件はB+ 250V、Ip 無信号時10mA/ユニット、、かなりバイアスの深いAB級動作です。
負帰還は掛けず(裸利得が無くて掛けられない)、無帰還アンプとなっています。
出力トランスは東映OPT-10P(8K)、
電源トランスは同じく東栄のZ02ES 100V:120V 0.16A を倍電圧整流しB+を作り、
ヒーター点火も東栄の100V:6.3V 3Aのヒータートランスを用いました。
トランスは各々2000円前後ですので、OPT2個と電源トランス2個でトランス代の合計は8,000円程度です。
手前左から電源SW、6JY8 4本、ボリュームです。
奥左から電源トランス100V:120V、OPT2個です、電源トランス100V:120Vのシャーシ裏側に全く同じ大きさの6.3V
3Aヒータートランスが取り付けてあります。
結果は、下表の通りです。
最大出力 | 2W+2W | ||||||||||
周波数特性 | 10Hz〜38KHz+0、-3db (1W) | ||||||||||
歪率(1KHz) |
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ダンピングファクタ | 1.0 (1V,1KHz) |
音質は、柔らかな中域に少し量の足らない高域と低域が付いてきます。解像度もほどほどにあり、ボケた感じはありません。
歪んだ感じは全くなく、大変聞きやすい音です。 細かな事を言わなければ結構満足できちゃいます。