相補式無帰還ヘッドホンアンプの製作
測定

(c) S.Yoshimoto
2018
2019/02 update

特性一覧

アンバランス出力
最大出力 32Ω負荷 400mW
増幅度 7dB
2.3倍
周波数特性 1.5Hz〜500KHz (-3dB)
歪率特性 10mW 0.01%
100mW 0.06%
400mW 13%
残留雑音 無補正 35μV
残留雑音 JIS-A補正 12μV
入力換算雑音 無補正 15μV
入力換算雑音 JIS-A補正 5.2μV

FRAplusと歪率測定アダプタ、AnalogDiscoveryの組み合わせにて測定
雑音特性はシバソク AM70Aオーディオアナライザにて測定

周波数特性

FRAPlus自動測定アプリとAnalogDiscoveryの組み合わせにて測定しました。

帯域は1.5Hz〜500kHz(-3dB)と広帯域です。無帰還である事を感じさせません。

雑音歪率特性

シバソクAM70Aにて雑音歪率測定を測定しました。

無帰還にも関わらず低歪率が実現できました。
1kHzと10kHzでは
100mWで0.06%です。目標の0.1%を下回りました。
10mWでは0.01%と大変優秀です。
100Hzは1kHz、10kHzに比べ劣りますが、100mWで0.1%の目標をほぼ達成できました。
最大出力は目標の0.5Wを下回り0.4Wでしたが、0.4Wでもヘッドホンには十分な高出力です。

高調波歪率特性

FRAplusと歪率測定アダプタ、AnalogDiscoveryの組み合わせにて測定しました。

無帰還にも関わらず低歪率が実現できました。
100mW出力で0.05%です。目標の0.1%を下回りました。
10mWでは0.02%で測定系の測定限界です。100uW〜10mWまでは測定系の限界値なので実際はもっと低歪かもしれません。
1kHz,10kHz,100Hzの歪率も良く揃っています。
100Hzのみ50mW〜250mWで少し悪い値になっています、NchドレインとPchドレインを結合するコンデンサの値が少し不足なのかもしれません。

歪内容分析

FRAplusにて分析しました。

クリップの兆候が現れる0.2W出力までは偶数次調波が主体です。
多くの歪打消し技法では偶数次調波が打ち消され奇数次調波が主体として残るのですが、
相補式では逆に偶数次調波が主体となっています。


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