汎用RCAピン・ケーブルの製作(自作)

これ1本で音声信号用ラインケーブル、デジタルオーディオケーブル、ビデオ(映像)ケーブルに使用できる汎用RCAピン・ケーブルの製作方法を紹介します。
高性能で、見た目も良く、制作費も安価です。

機能

高周波に対応した同軸構造のRCAプラグと芯線が撚線で柔軟で折り曲げに強い75Ω同軸ケーブルの組み合わせで、オーディオ(音声)信号からデジタルオーディオ信号、ビデオ(映像)信号までの広範囲な信号伝送に適します。

使用部品

RCAピン・プラグPR-1020N
秋月電子で見つけたプラグです、高周波対応同軸構造のうえ、仕上げも良く、これで150円はお買い得です。
このプラグを見つけたのが本ケーブル製作の動機です。

外観 分解写真

分解された部品は、左端から
外装前部シールド接触子芯線接触子シールド保持金具外装後部
です。一般的なRCAピン・プラグとは構造、ケーブルとの接続法が異なります。

PR-1020Nの接続構造 従来型RCAプラグの接続構造

PR-1020Nでは円筒状のシールド接触子と同じく円筒状のシールド保持金具が突き合わされて同軸構造のままケーブルとプラグを繋ぎます。この為インピーダンスの整合が維持され波形の乱れを防げます。
従来型RCAプラグではケーブルのシールドを剥き、1点でプラグのシールド側端子に接続しますので同軸構造が途切れ、反射による波形の乱れが生じる可能性があります。

●カレナ L-3CV2S
プロ用ケーブルで有名なカナレの75Ω同軸ケーブルです。高周波用同軸ケーブルですが、芯線が撚線なので柔軟で曲げに強く、オーディオ用にも適します。被覆カラーが10色あり、接続先別色分けに便利です。

外観
品種 型番 特徴 入手先 価格
RCAピン・プラグ RP-1020N/W(白)
RP-1020N/R(赤)
高周波対応同軸構造のRCAピンプラグ
オーディオ用ピンプラグのようにケーブル接続点で
同軸構造が崩れない。
秋月電子 @150円
ケーブル カレナ L-3CV2S 75Ω同軸ケーブル、芯線が撚線なので柔軟で曲げに強い。
被覆カラーが10色あり、接続先別色分けに便利。
九州電気
秋葉原ラジオストア並び
100円/m程度

工具

3CV3径の同軸ケーブル加工には、是非同軸ストリッパを用意して下さい。被覆剥きが抜群に楽に綺麗になります。

●同軸ストリッパ TS-3

外観

左から外皮剥き用穴、内皮剥き用穴、切断用穴です。

秋葉原の工具屋さん、又はアマゾン通販で購入できます。

製作手順

  1. 下準備
    RCAピン・プラグを分解しておく。
    同軸ケーブルを必要な長さに切っておく。
     
  2. 同軸ケーブルにプラグ外装後部を通す。

     
  3. 同軸ケーブルの外皮を剥く
     
    同軸ケーブルを同軸ストリッパの外皮剥き用穴に挟み、同軸ストリッパをくるりと数回転すれば外皮が切断されます、そして同軸ストリッパを引き抜けば外皮が剥けます。
     
  4. シールド線を折り返す。

    シールド線を残った外皮側に折り返します。網目を崩さす、伸ばさないように折り返して下さい。
     
  5. 同軸ケーブルの内皮を剥く
     
    同軸ケーブルを同軸ストリッパの内皮剥き用穴に挟み、同軸ストリッパをくるりと数回転すれば内皮が切断されます、そして同軸ストリッパを引き抜けば内皮が剥けます。
     
  6. 芯線に予備半田をする

    芯線をよく捩り、半田で固めます。
     
  7. シールド線の固定

    シールド保持金具をシールド線を折り返した部分に挿入します。
     
  8. 芯線接触子の取り付け

    芯線接触子を芯線に被せ、残っている内皮の根元までしっかりと挿入します。
    芯線接触子の中間にある小穴から半田を流し込み、半田付けで固定します。
     
  9. シールド接触子を挿入します

     
  10. 外装前部を挿入します

     
  11. 外装前部を回して、外装前部と後部を合体します

    必ず外装前部を回します、外装後部を回すと芯線が捻じ切れます。
    回りきるまで回し、強く締め付けて完全に一体化して下さい。緩いと接触不良となります。

上記の作業を各プラグについて行います。

費用

表題の2m長RCAピン・ケーブル2本の制作費は1000円です。

RP-1020N/W(白)、RP-1020N/R(赤)各2個 600円
L-3CV2S 4m 400円
合計 1000円

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