シャーシはぺるけアンプ標準シャーシを用います。
ぺるけアンプ標準シャーシは穴あけ加工済みです。本機はぺるけアンプ標準シャーシに取り行け可能な部品のみで構成されていますので、シャーシの加工は不要です。
下図は上から見た部品配置です。
ぺるけアンプ標準シャーシには6本の真空管用の穴が開けられていますが、2本のみしか使用しない為残り4本分の穴は30φの穴塞ぎキャップにて埋めています。
下図は内部の写真です。
シングル形式でしかも単段アンプですので、プッシュプル形式アンプに比べ部品数は少数で製作は容易と思います。
本機は真空管周辺に部品を集中しすぎた思います、周辺部が空き状態になってしまいました。もっと全体的に部品を配置すべきでしょう。
私にとっても本形式のアンプは初めての製作でしたので、多くの試行錯誤、変更を行いました。その結果、内部の配線は整頓されておらず、綺麗とは言えません。部品配置に関しては各位にて再検討をお願いいたします。
グランドの配線は渡り配線です。アース母線式ではありません。単段で高い増幅度を得ている為、配線に敏感な傾向があります、グランドの配線は回路図記述の順序で渡り配線して下さい。近くにグランドがあるからと言って回路図の順序を無視した配線をしてはいけません。左右チャンネルのグランドも分けて配線します。アンプ部の左右のグランド配線を混ぜないで下さい。
シャーシへの接地は入力ボリューム近くで左右チャネルのグランドを一緒にして1点のみでシャーシに接地します。
電源付近でも接地する2点接地や多点接地を行うと不安定を招きます。
2SK1152には放熱器が必要ですが、このパッケージ(DPAK)用の放熱器は市販されていません。
市販のTO220用放熱器を工夫して用いました。
ミズデンのSP413Kを2SK1152 1個に対し2個用います。SP413Kに2個の取り付け穴があるのを利用します。
2個の取り付け穴の間に2SK1152を2液性エポキシ接着剤で接着します。
2SK1152の足判別と足の絶縁の為に3色のエンパイアチューブを足に被せ、足の根元に2液性エポキシ接着剤で固定します。
接着材が硬化したら2SK1152の表面にも2液性エポキシ接着剤を塗り、もう一つのSP413K放熱器を上から被せ、ネジとナットで固定します。
2SK1152単体の熱抵抗は6.5、SP413K放熱器単体の熱抵抗は17.9です、2個で挟みますので約9となります。
放熱器を取り付けた2SK1152全体の熱抵抗は
6.5 + 9 = 15.5
となります。
本機では2SK1152で3.5Wを消費します。余裕をみて4Wの消費とすると温度上昇は
15.5 X 4 = 62度
2SK1152のチャネル温度上限は150度ですので、この放熱方法で
150 - 62 = 88度
までの周囲温度に耐えられることになります。
放熱器と2SK1152のドレインは絶縁されません、導通しています。放熱器が他の部品や配線と接触しないように組み立てなくてはなりません。十分に注意して下さい。
EL34は他のビーム管と異なりサプレッサグリッドが独立して1ピンに引き出されています。
他のビーム管ではサプレッサグリッドに当たるビーム電極は内部でカソードと結ばれており1ピンは空きピンです。
EL34も差し替えできるようにする為にソケットの1ピンと8ピン(カソード)を配線で結びます。